先日、かつての英国国王リチャード3世(1452-1485)の遺骨をDNA鑑定することによって、「英国王室の血統がどこかで切れていたことが判明した」という記事を目にしました。
DNA鑑定技術は、性別や血液型はもちろんのこと、血縁関係や健康予測や発病リスクなど、様々なことを特定することができます。特に近年ではその精度が高まり、犯罪捜査における個人の絞り込みにも、DNA鑑定技術が応用されています。
このDNA鑑定技術、遺骨の鑑定結果次第では、予期せぬ混乱を巻き起こしてしまう恐れもありそうですね。
リチャード3世(1452-1485)は15世紀に活躍した英国国王で、イングランド国内で巻き起こった内乱「薔薇戦争」によって命を落としました。32歳という若さで、王位の在位期間はたったの2年間でした。
時代は変わって2012年、ランカスター市街地にある駐車場において、このリチャード3世の遺骨が発見されました。鑑定チームはこの遺骨のDNA鑑定を直ちに進め、意外な事実が発覚することとなります。
リチャード3世の血統を調べることで、遺骨が確かにリチャード3世のものであることは分かったものの、同時に公式の家系図との血縁上の不一致も発見されてしまったというのです。つまり先祖のどこかの時点で正当な血統は途絶えていたということです。
この発表に際し、混乱を避けるためなのか分かりませんが、「現英国王室に王位継承の資格がないと言っている訳ではない」とのコメントもなされています。
日本の天皇家(皇室)は、系図上は「万世一系」をウリにしていますが、実際にDNA鑑定を行ったらどういう結果が出てしまうんでしょうかね。日本国は、万世一系の歴史を持つ「世界一古い国家」としてギネス認定もされていることだし、権威上の問題とか影響は結構大きそうです。
まぁ・・・、あまり突っ込んだ話を書くつもりはありませんが、DNA鑑定による血統特定って、結構怖い部分もありますよね。
そういえば、「産んだはずの子供が自分の子供ではなかったぁ!」とか、何か芸能ニュースでありましたね。
戦国武将の場合はどうでしょう?
織田信長は、本能寺の変で毛髪一本残すことなく消え去ったと伝わるので遺骨は残っていません。血判状や生前時の毛髪などが残っているのであれば、伝承を信じてDNA鑑定できるかもしれませんが。
慎重な性格で時に激高する織田信長のDNAから、どんな人物像が浮かび上がるのか知りたい部分も大いにありますが、叶わぬ夢になりそうです。
伊達政宗は毛髪鑑定からB型であることが分かっています。また、遺骨から身長は159.4cmだったようです。これは当時の成人男性の平均的数値とのこと。
徳川家の場合、東京都港区の増上寺に徳川秀忠ほか6名の遺骨が埋葬されている他、愛知県岡崎市の大樹寺には、歴代将軍の身長と同じ高さに作られたと伝わる位牌も残されてています。
その位牌の長さを測るに、徳川家康159.0cm、秀忠160cm、家光157cm・・・と、徳川将軍家もおおよそ当時の平均身長と同じであったことが分かります。
大柄であったとされる8代将軍の徳川吉宗は155.5cm・・・あれ? 180cmを超えるとか聞いたことあるけど(笑)。
伝承と大樹寺の位牌、どっちが本当なんでしょうかね。