人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし、心に望み起らば困窮したるときを思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え、勝つことばかり知りて、負けることを知らざれば、害その身に至る。
己を責めて人を責めるな、及ばざるは過ぎたるより勝れり。
なんかもう、泣けてくるような言葉ですよね。
家康の生い立ちを知ってるから尚更。
今川家の人質、次は織田家の人質と、不遇な幼少期を過ごした家康。念願の独立を果たした後も、信長の東の盾として当時最強を誇る武田軍と直接対峙し、信長にこき使われた家康。
妻の築山殿と息子の信康が武田に内通しているという疑いを掛けられ、信康が将来有望な武将であることに危機感を抱いた信長の命令によって、妻と息子の殺害を自らの手で実行した家康。(※諸説あり)
信長の死後も、時の天下人である豊臣秀吉に従い、先祖代々ゆかりのある三河を捨てて、未開の関東地方に領地替えを言い渡され、それを断腸の思いで飲んだ家康。
(当時の江戸は葦の生い茂る湿地で、人家がぽつぽつとしかなかったクソ田舎!)
人生の大半を忍従し続けてきた家康だからこそ、この言葉の重みが伝わってきます。
家康はこれらたび重なる苦労に耐えに耐え、人生の最後に天下を勝ち取り、その後260年続く江戸時代の礎を築きました。
織田信長や豊臣秀吉は、俗に「カリスマ」と呼ばれる側の人間である。
要するに奴らは「発想がブっ飛んでる」のである。
天才は「発想がブっ飛んでる」のである。
それに比べて家康はどうだろう? なんと私たちの心を揺さぶるような名言を残していることか。
言葉が刺さる = 常識人ということなんだよ!(正規分布の中央に位置する人々)