日銀の黒田総裁が、2016年2月16日からマイナス金利を導入することを発表しました。マーケットへや為替相場への影響、また私たちの暮らしにはどういった影響が出てくるんでしょうかね。
マイナス金利の内容は、民間銀行が日銀に預けている当座預金の一部に対し、0.1%のマイナス金利を適用するというもの。
日銀にお金を預けていると、金利を貰えるどころか逆に支払いが発生するということです。
マイナス金利を適用する狙いはおそらく、民間銀行が保有しているお金を企業や事業主に貸し出すように促して、市場にお金を流通させて経済を活性化させることや、国債金利を下げることで、現在膨れ上がっている政府の国債利払い額(1000兆円の借金利払い)を小さくすること、などが考えられます。
黒田総裁いわく、
「民間銀行の個人向け預金に、マイナス金利がつく可能性はない(キリッ)」
とのことですが、一体どうなるんでしょうかね?
もっとも、バブルが崩壊してから日銀はゼロ金利政策を10年以上続けているので、銀行預金をしたところで受け取れる金利はたかが知れていますが。
大金を預金している裕福層でない限り、今のままだろうがちょっと下がろうが、銀行金利だけでは生活の足しにもなりません。
それよりも、銀行の企業投資が活発化し、市場にお金が流通することで、巡り巡って国民の会社員給料が上がることに期待した方が良いように思います。ただ、マイナス金利を適用することで、本当に銀行の企業投資・資金提供が活発化するんだろうか?
もっと別の狙いがあるのかな? 良く分かりません。
今回、日本国民に直接関係があるためにマイナス金利という言葉が騒がれていますが、実は私は、マイナス金利という言葉自体は数年前から耳にしていたので知っていました。
日本円と同じくらい信用が高く、金よりも硬いとも言われているスイスフラン。ここ数年、スイス銀行は慢性的なフラン高に悩まされており、フラン高を是正するためにスイス銀行は2015年1月22日よりマイナス金利の導入に踏み切っています。
欧州中央銀行(ECB)もユーロのマイナス金利導入を決定しており、世界的な流れでいえば、今回の日本のマイナス金利導入自体は、決して珍しい事例ではありません。
あ、競争はしてないか。
国債利払いの関係上、日銀は利上げなんてできないだろうし、ゼロ金利が今後もずっと続くかと思っていましたが、まさかのマイナス金利導入とは・・・。
マイナス金利導入の影響で、債券市場において国債の長期金利が史上初のマイナスに突入したらしいですが、黒ちゃん、2013年の異次元金融緩和といい、今回のマイナス金利導入といい、いろいろサプライズ級の積極策を打ち出しまくってますね。
そんなにイジりまくって大丈夫なんだろうカー。
ちなみに、一足先にマイナス金利を導入した欧州圏では、国民の預金金利には影響が出ていないものの、ATMによる引き出し手数料の増加、本来下がるはずの住宅ローンの借り入れ金利が上昇するなど、そのシワ寄せは国民の負担となって降りかかっているようです。
通貨安競争の次は、金利安競争かよ!!