「おもしろき こともなき世を おもしろく」
高杉晋作(たかすぎしんさく)の名言として有名ですよね。
「この人は、何かやってくれそうだ」と周りに思わせ、また非常に行動力のある人物像が浮かんできます。
高杉晋作は、長州藩毛利家の上級藩士の家柄でありながら、過激派「吉田松陰」の松下村塾に入塾し、倒幕運動や奇兵隊の結成、長州征伐の際の功山寺挙兵など、幕末期に尊王攘夷派として活躍した人物です。
知っている方も多いかと思いますが、「おもしろき こともなき世を おもしろく」という言葉には、
「すみなすものは 心なりけり」
という下の句があります。こっちの方が私は好きなんですよね。
諸説あるようですが、労咳(肺結核)を患い病床の身にあった高杉晋作が、「おもしろき こともなき世を おもしろく」と詠んだ後、枕元で看病をしてくれていた野村望東尼(のむらぼうとうに)という女性が続けて、「すみなすものは 心なりけり」と詠んだとされます。
この下の句の意味は、
というものです。
この下の句を枕元で聞いた高杉晋作は一言、「おもしろいのう・・・」とつぶやいたといいます。
晋作が「世の中がつまらないから、自分自身の手でおもしろく変えてみたい」と意気はやる中、年齢においても人生の先輩である野村望東尼がやさしく諌(いさ)めるような情景が、とても感慨深いです。
あなたがつまらないと思っている世の中であっても、おもしろいと思っている人も居る。動乱や革命を望む人もいれば、平穏に世の中が過ぎてほしいと思う人もいる。
お金を持っていても、心が腐っていればつまらない世の中になってしまう。逆に貧しくても、心が豊かであれば人生は楽しくなる。
私も心を痛めてしまったり、目標を見失って心にポッカリと穴が開いてしまうことがありますが、それでも心が腐ってしまわないよう、自分の心の舵取りをしていきたいです。
「物事(世の中)が面白いかどうかは、人それぞれの心が決めるものですよ」