江戸切子に魅せられて

江戸時代より伝わる繊細なガラス細工の世界に、思わず魅せられてしまいます。
サムネ

江戸切子とは

江戸切子(えどきりこ)とは、非常に繊細なデザインが彫り込まれたガラズ細工(切子細工)のことです。熟練の職人の手によって表現されるその紋様は、伝統工芸品としても認知されています。その歴史は江戸時代末期の江戸で始まったとされます。

江戸切子の始まり

ガラス自体の歴史は大変古く、紀元前の古代エジプトやメソポタミアの遺跡から、ガラス製品の原型が出土しています。日本にはシルクロードを通ってガラス製法が伝わったとされ、弥生時代の遺跡からは、日本最古のガラス製品が発掘されています。

その後、日本におけるガラス製造の技術は衰退を辿り、江戸時代まで長い時間を経ることとなります。

江戸時代、ガラス細工はビードロ(ポルトガル語)と呼ばれていました。ビードロの製法技術は、貿易によってポルトガルやオランダから長崎に伝わったとされます。

江戸切子は、江戸の職人である加賀屋久兵衛が、ガラス表面に美しい装飾を施すようになったのが始まりとされます。今日に至るまでその繊細で美しいカットグラスの技術が、代々切子職人によって受け継がれてきており、その装飾や紋様から、江戸時代・明治時代の息吹を感じることができます。ガラスの透き通るような美しさと、光を受けてキラキラと輝きを放つ彫刻に、見る者の目が奪われます。

薩摩切子

薩摩切子は、薩摩藩主の島津斉興が江戸のガラス職人を領内へ招いて始められたとされます。薩摩切子は、天璋院篤姫の輿入れの際にも用いられました。薩英戦争や明治維新の激動期を経て、薩摩切子の技術は一度途絶えてしまいましたが、近年、復刻を目指した活動が起こり、ガラス職人や研究家の尽力の下、見事に復刻を遂げました。

老舗 カガミクリスタル

カガミクリスタルは、クリスタルガラスの老舗メーカーであり、宮内庁をはじめ世界各国にある日本大使館・領事館にも、高品質のガラス製品を納めています。宮内庁御用達のメーカーとしても有名です。

創業者の各務鑛三(かがみこうぞう)は、南満州鉄道株式会社(満鉄)でガラス研究に従事していた折、ドイツ人技術者と出会います。その縁もあってドイツ留学を決意し、ドイツでクリスタルガラスやグラヴィール彫刻の技法を習得した後、帰国の途につきます。

グラヴィール彫刻は、研材のついた丸い銅盤を回転させ、それをガラス表面にあてて彫刻を施す技術のことで、ミリ単位の精度を要求される非常に繊細な職人技術を要求されます。このグラヴィール技術こそが、クリスタル加工技術の最高峰とされており、その習得には困難を伴うものの、通常のカット技法では決して表現できない繊細かつ陰影に富んだ彫刻を施すことができます。

カガミクリスタルでは、食器やグラス、花瓶のほかにも、クリスタルペンダントや置時計、小物入れなどの製品作りにも積極的に取り組んでいます。江戸時代より伝わる繊細なガラス細工の世界に、思わず魅せられてしまいますね。